電音の工場ブログ

趣味の電子工作を中心としたブログです.音モノの工作が多いです.

PUTでVCO

PUTのVCO

PUTでVCO

id:Chuck:20060409 の写真から。

昨日ご紹介したPUTLEDをピカピカ(id:Chuck:20060411#p1)させるだけでなく、VCOとしてみようとするもの。

Rolandの昔のシンセ SH1000ではPUTVCOとした回路が利用されているらしい(houshuさんの記事経由)のだけれど、それをそのまま組む元気はなかったので、簡易な実験として、山下シンセ連載記事の第2回「VCOと波形整形回路」で紹介されている回路を微妙に変更して利用してみた。

実験開始

使用した回路はコレ↓

PUT VCO schematic

オリジナルは+9V電源だけれどここでは+15Vを使用した。コンデンサには手元にたくさんある 7000pFのスチコンを。トランジスタが定電流回路になっている。

outputというところにコンデンサの充放電の結果の電圧が現われる。鋸歯状波になる。ただこのままミニアンプに突っ込んでもちゃんと音は出ない。ミニアンプの入力インピーダンスのために、コンデンサが設計時に期待したとおりに充放電しなくなるためで、音として聞きたいならバッファを入れる必要がある。

ということで、波形をオシロで観測してみたのがコレ↓ 取り込み時の誤操作でちと図面が鈍っている。

PUT VCO signal

想定の範囲内で鋸歯状波ですな。

VRをくりくりしてみると、この回路では上下の制限をしていないので調整がクリティカルだったけれど、だいたい 60Hz~4.5kHz ぐらいまで綺麗に鋸歯状波が出ていた。

戯れにFFTしてみたのがコレ↓(窓なし)

PUT VCO signal

ということで、実験終了。SH1000のVCOを組むかどうかは未定。

他の資料

他には横井与次郎本にもPUT発振器があった。

下記はいずれも、

横井与次郎編, 『IC応用回路アイデア集』(昭和50年 第1版, 昭和55年 第6版), 誠文堂新光社

に記載されている記事。

  1. “122. 発振周波数の可変範囲が広いPUT発振器”(pp.70-71)
  2. “134. PUTFETによるのこぎり波ゼネレータ”pp.76

1. には昨日のLEDピカピカとほぼ同じ構成のもの、加えてコンデンサの放電用にトランジスタを置いた2回路を紹介している。2. はその上で FETによる定電流回路が追加されている。

いずれもVCOではなくて回路内の可変抵抗器で充電速度を変えて出力周波数を可変している。

音ー!

「ええいっなにをシチメンドクサイ、手っ取り早く音の出る回路を教えろ」というムキには、調べているうちに発見したコチラをご紹介する。

みんなの科学・たのしい実験室 - 想い出の広場 | #510304 ミニ電子オルガン

うわーい、懐かしい! みんなの科学だ。回路図採取に苦労したなぁ。こちらの方のように筆者は保管がよろしくないので、当然記録は残っていない…

回路は前述 横井本の1.の後半の回路が使用されている。