電音の工場ブログ

趣味の電子工作を中心としたブログです.音モノの工作が多いです.

プリント基板作りました & 頒布してます

プリント配線基板の製造委託

さいきん老眼が進んで,これまで手配線でやってきていた電子部品の実装をするのに躊躇というほどではないけれど,自作の速度が落ちてきてしまいました.キット(たとえばこんな)はさくさくと作れるのでやはり違いはプリント配線基板の有無かなと考えました.

プリント配線基板は,自分でイチから作ろうとするとやはり面倒です.エッチングで銅を溶かすプロセスやなによりも穴あけが苦痛です.一時期 CNCで基板を作るのが流行りましたがやはりその手間と削りカスが問題です.CNC機を置いておくスペースも取れません.

そこでプリント配線基板の製造委託を検討することにしました.最近は安価だし,なんなら部品の実装まで委託しているDIYerも多いようです.

これまで何故基板の製造委託を使ってこなかったかというと部品を指定してのCAD入力が面倒だったことがひとつ.手元の部品棚からピックアップしてきた部品の現物合わせで作り進めていたので,回路設計の時点で部品を特定するのがかったるかったのです.もうひとつは思い立った瞬間に始めて,回路を少しずつテストしながら増築する作り方をすることが少なくなかったというのも理由です.CADを引くよりも,さっさとはんだ付けを始めて,信号の経路やGNDの引き回しを考えながら万能基板に配線していました.

一方で手組みなのでひとつ作って疲れてしまって,HA12022コンプなんかステレオリンクを用意したのに2台めが出来ていません.配線を考えるのはかなり頭が疲れます,2個めは楽になるはずなのですが… これが,プリント配線基板があれば作業が進むかも.というわけで基板製作の外注の情報を調べました.

PCB外注 - DIY Fx and Synthesizer

 

キャンペーンもあるのでしょうが,100mm✕100mm の両面基板を5枚製造で$2という JLCPCB社 を見つけました.回路図&基板CAD として KiCAD をインストールして,JLCPCBにマッチしたファブリケーションプラグインを入れました.

 

次の製作をパイロットプロジェクトにして進めました.

TCプリアンプ - DIY Fx and Synthesizer

やることは,

  1. 部品のフットプリントを指定しながら回路図入力しネットリストを出力する
  2. ネットリストを入力として基板図面を描く
  3. 基板描画が終わったらファブリケーションボタンを押すと必要なガーバーファイルを収集してZIPにまとめてくれる
  4. 出来たZIPをJLCPCBのWEBフォームからアップロード
  5. PAYPALで精算

今回送料込みで600円弱で製造委託し,出図から2日間で製造完了,出図から8日で基板入手できました.100mm✕100mm の基板を5枚製造ですが,4面付けしたので20セット分の取れ高です.

部品を実装して上手く動作しました.

うまくいったので気を良くしてギターエフェクタ用のラインセレクタも出図してみました.ちょっと規模が大きめなのですが,フォトMOSリレーを試してみたかったので,実用というよりも試作ですね.

これまで作りたいけどちょっと面倒だなと思っていたようなサイズの製作をいくつかプリント配線基板の製造委託で実現しようと考えています.前述した HA12022利用のスタジオコンプの作り直しなんかもスコープに入っています.大塚センセのプロフェッショナルクラフツなどは良いターゲットなのではないかと思います.フランジャー作りたかったけど「手配線で2個(ステレオ分)かぁ…」と躊躇していたので.

 

今回作った基板を頒布しています

今回作ったものはギター用の プリアンプ(トーンコントロール)です.本人としては数セット分も手元に残ればいいので余剰分を頒布します.以下のフォームからお申し込みください.

TCプリアンプ基板 頒布