ブースタ その2
左上から、電源、オシロスコープ、ミリボルトメータ。下に移って左から発振器(秋月で買った、黒い)、ブースタ基板(小さい、赤い)となります。こんな陣容で実験しようと思っていました。最初は。
この構成で予備実験していたんですが、発振器の振幅が0.1Vまでしか絞れないようでした*1。ようするにこのブースタのゲインを上げるとクリップするわけです。
そんなわけで以前作った発振器を取り出してきました。これならもっと絞れる。1kHz固定だけど。
前回大雑把にゲインを見積もりました。
平たく言えば741での反転増幅回路です。電源の中点電位を仮想的なGNDに置いて、回路の前後をコンデンサで切っています。入力抵抗(R2=9.1kΩ)があって、帰還抵抗は1uF(C4)と10k(R7)と1MΩ VR(Bカーブ, VR1)をシリーズにしたところに1MΩ(R6)をパラっています。
ブースタ その1 - 『ROLLYと作るギターエフェクター』を作るブログ
アンプ部分のゲインはC4を無視して考えると、
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今回発振器でf=1kHzの正弦波を与えます。ということでC4を無視しないでゲインを考えると、
C4項のインピーダンスは159Ωぐらい、と、小さいけれどいちおう加味して、VR1に応じて以下のようなゲインが得られる計算。
帰還抵抗全体 | ゲイン | ゲイン(dB) | |
---|---|---|---|
VR1を絞りきった時 | 10.1kΩぐらい | 1.11倍 | +0.91dB |
VR1が半分ぐらいの時 | 338kΩぐらい | 37.1倍 | +31.4dB |
VR1を全開にした時 | 503kΩぐらい | 55.3倍 | +34.9dB |
10mVrmsの1kHz正弦波を入力して、出力波形をオシロで測ってみると以下のような計測結果になりました。VR1が全開の状態です。
551mVrmsとあります(右側枠外、上から2番めの計測結果)。だいたい合ってる!
551mVrmsというのは実効値です。正弦波の谷から山までの電位差では1.56V peak-to-peakぐらいになります*2。それなら100mVrmsを入力して34.9dBアンプるとどうなるか、5.53Vrms→15.6V peak-to-peakという計算になりますが、このブースタの電源は一番低くて0V、一番高いところで9Vしか供給されていないために、原理的にこれよりも高い電圧に到達することができず、信号はクリップすることになります。もっと言えばICの中でも電圧配分予算を食うので、実際にはさらに低い電圧でクリップすることになります。
クリップするさまも写真に撮って載せたいところですが、今日はここまで。