電音の工場ブログ

趣味の電子工作を中心としたブログです.音モノの工作が多いです.

コントロール

コントロール

id:Chuck:20051022のコメント欄に id:r0r0さん曰く、

(略) LFOを、何か使えないかなんていろいろ思いをはせている所なんです。

ディレイしてきた音がトレモロっているとか、フェイズが回っているとか・・・・

それに対して筆者は、

揺れモノLFOを含め、コントロールがキモなんじゃないかという気が最近特にしています。

そうなのだ。面白くなるもならないも、コントロールがキモなんじゃないだろうか。

id:Chuck:20050214 にも近い話を書いた。

歪みモノは別として、多くのエフェクトは、本線系にある種の作用を行って効果を得ている。そのコントロールには何が考えられるか。

ペダル/ツマミ

これはそのまんまなので、ボリュームペダルやペダルワウなどを考えると、わかりやすい。コンパクトエフェクタのツマミをぐりぐりして音の変化を体感している人も多いと思う。ディレイコーラスフランジャなんか音程が変化して面白い。

最近はミニコンポでモータ内蔵の可変抵抗器が使われたりして、これを用いてモータ制御すれば色々できるんじゃないかと考えていたりする。

LFO

これまで例示してきたLFO

実はどんな波形を採用するかによって奥深いようだ。以前はアナログ回路で波形生成しやすいかどうかもポイントとなったが、

あたりが良く使われる。さらにコンデンサで波形変化を鈍らせたり。凝ってくると、

  • 指数関数カーブ
  • 対数関数カーブ
  • 正弦波に絶対値回路をかけたもの
  • 鋸歯状波を二乗回路に通したもの
  • 二次曲線の仲間
  • ダイオードを組み合わせて任意の折れ線関数

といったものも考えられるが、あんまりやると波形生成部分がとても複雑になる。ディジタルでROMに焼いたものを使ったほうが楽に多彩な波形が生成できるようになってしまう。

エンベロープ

エンベロープも良く使われる。

ギターやベースなどから、時間変化する信号強度を取り出してきてコントロールするものには、オートワウやコンプレッサがある。

楽音から時変信号強度を取り出してくるものがエンベロープ・フォロワである。綺麗にエンベロープを取り出してくるのは結構難しい。

音が鳴っている期間を抽出してゲート信号として、このゲート信号からエンベロープを生成する(エンベロープ・ジェネレータ, EG)というやり方もある。ノイズゲートとか昔のBOSSのスロー・ギアはこの技術を使っていた。

Slope

EGの一環になるかもしれないが、ゲートがかかっているときにコントロール値が徐々に上がる(下がる)。あるいはゲートがかかっていないときにコントロール値が徐々に上がる(下がる)というものも考えられる。

山下シンセの記事を見ていて面白そうだと思った。

Pluck Follower

これもEGの一環かもしれない。例えばギターの速弾きをしているときにはコントロール値が上がって(下がって)、ロングトーンを弾いている時にはコントロール値が下がる(上がる)ようなもの。ゲートパルス、あるいはギターであれば素のエンベロープ積分をすれば得られそうである。

実際にこのコントロールを行っている市販製品を見たことはないが、1970年代に発行されていた DEVICE というメールマガジン*1に Craig Anderton の AMS-100 というエフェクトシステムの製作記事があって、その中で提案されていた。

筆者はAMS-100を途中まで組んでいたが、現在は停止中。Pluck Follower は組み立てていない。

ピッチ

弾いている楽器の音程をコントロールに使おうというもの。

正確なピッチを抽出するのはかなり難しい。単音はまだしも複音のときはどうする、という問題もある。

もっとざっくりとバンドパスフィルタをかけて、そのバンドごとの強度をコントロール信号とするという考えもあるだろう。

ランダム値

らりるれランダムノイズでぱぴぷぺぽー

もとい、ランダムノイズをサンプル&ホールドして*2コントロールとして使う考え。

現在製作中の Maestro Filter S&H で用いられている。

他にも

いろいろ考えられると思う。こんなのはどうだろう、というのをぜひコメント欄にお寄せください。

*1:Mark Hammerのアーカイブを参照されたし。

*2:もちろんしなくても良い。