BBD回路リソース
BBD回路リソース
BL32xxなセカンドソースのBBDが秋葉原で売られているのを見たので記念に書いてみる。
BBDの種類について
まずはBBDの種類について。
MN30xx系、MN32xx系、MN33xx系 と言ってきたのは何かと云うと、違いは以下の表を参照*1。
種類 | 電源電圧 |
---|---|
MN30xx | -15V (typ.) |
MN32xx | 4~10V |
MN33xx | 1.8~5V |
そーなんですよ、-15Vなんですよ、電源>MN30xx系。これを見るとMN32xx系がコンパクトエフェクタでよく使われたというのに納得がいくでしょう。MN33xx系を余り見かけない、というのも。スタジオクォリティを目指す製作では MN32xx、MN33xx系は避けて、MN30xx系で高い電圧を使うのが良さそうだ、と。
なお、データシートはきっとネットのどっかにある。
BBD回路リソース
エフェクタ製作特化本ではないところからリソースを探してきてみた。
いわゆる電子工作の範疇の本や雑誌から。
『実用電子回路ハンドブック4』, 昭和55年, CQ出版社
回路集と言えば思いつくのが CQ出版の『実用電子回路ハンドブック』1~5。ざっと見たところBBDを使った回路は1件だけだった。
丹羽一夫, 「データブックには応用回路がいっぱい」, 『初歩のラジオ』1981-1984年, 誠文堂新光社
- 1983年12月号 ナショナルのMN3003で作るBBDと音響効果 (MN3003)
- 1984年1月号 ナショナルのMN3207で作るエコー・エフェクターの製作 (MN3207+MN3102)
- 1984年2月号 ナショナルのMN3206で作る音場拡大効果発生器 (MN3206+MN3102)
雑誌『初歩のラジオ』の1981年から1984年までの連載記事、「データブックには応用回路がいっぱい」。その名のとおりデータシートやアプリケーションノートからの回路の紹介。一部改良してあったりする。BBDモノは3件載っていた。MN3003はクロックドライバ内蔵型の64段BBDが2回路入っているもの。
『エレクトロニクス回路アイデア集 ― ユニークなアイデアの233回路』, 電子展望別冊, 昭和56年, 誠文堂新光社
- 「電池で動作する低電圧エコー回路」(MN3207+MN3102)
- 「BBDを用いたビブラート回路」(MN3007+MN3101)
- 「BBDを用いたデュエット回路」(MN3010+MN3101, ブロック図のみ)
- 「BBDを用いた音場拡大回路(アンビエンス)」(MN3012)
- 「BBDを用いた擬似ステレオ」(MN3204+MN3102)
- 「BBDを用いたコーラス効果発生回路」(MN3010+MN3101)(誤植アリ)
- 「BBD用クロック発生器」(MN3102のしくみ)
- 「タップ付きBBDを用いた残響効果発生回路」(MN3011+MN3101)
- 「4096段BBDを用いたエコー回路」(MN3005+MN3101)
- 「BBDに適したローパスフィルタ」
この頃は回路集本が多かったのかもしれない。これはほんとに回路が233個載っている本。BBD関連は10項あって、これらの項は著者が松下電子の方だった模様。基本的にデータシートの回路かな。
青木英彦, 『アナログ回路の設計・製作 ― 現実的な回路の作り方と実際の設計法』, 1989年, CQ出版社
- 「第7章 サラウンド・アダプタの設計」
参考図書(id:Chuck:19990302#p1)にも挙げてあるこの本。1989年 初版、1992年 第3版 と、ちょっと古いけれど、まだ売られているようですな。>アマゾン
この本の「第7章 サラウンド・アダプタの設計」というのがBBDを使った回路設計の解説記事である。サラウンドの基本、バッファの設計、BBD部の設計、LPFの設計 と網羅されていて、これほどに詳しい設計解説は他には無いでしょう。
この章以外の記事大変参考になります。第1章の「回路図に表れない製作技術」などは知っているといないとでは大違い。これはいい本ですよ。大塚本*2の次のステップとしてお勧めしたい本。
以上、いくつかのリソースをご紹介した。
惹かれるタイトルがあったならば書店や図書館で確認してみてください。
昔のシンセやエフェクタの製作記事をリストアップしており、そこからの成果です。まだまだ電波新聞社系は未調査だし、電子展望も雑誌のほうは未調査、それ以外にもやまほど電子工作本はあるので、ぜんぜんリストアップが進みません。他にもあるよとご存知の方はぜひとも教えてください。