電音の工場ブログ

趣味の電子工作を中心としたブログです.音モノの工作が多いです.

新工作ネタ ― SMPTE LTC リーダ/ジェネレータ、MTC変換器

新工作ネタ ― SMPTE LTC リーダ/ジェネレータ、MTC変換器

さて、WinではとりあえずDAWしないことにして、Macの使用頻度を上げることにしまして、とりあえず以前から懸案だった、KORG D16 に入っている音源を Logic Express8 で週末ごとに数曲ずつ取り込んでいる次第。

こちらはこちらで別の話題として書く予定。この絡みで新しい工作ネタが出てきたので。そういえばPC買いました - 電音の工場ブログ - E-Musicグループ

20年以上前にバンドの演奏を YAMAHA MT8X で録音した。コンパクトカセットを1方向に使って8トラックを記録するというアナログなマルチトラックレコーダですな。マルチを使いつつ、まぁ、一発走らせて録音。わかりやすくて良い機械だったが、MT8X を処分するときにコンテンツをごっそりと FOSTEX D-80 にダビングした。D-80は、MT8Xでは内蔵していたミキサ部分が無くて、記録再生のシンプルな機械だった。もちろんパンチインとかはありました。この時に卓はYAMAHA ProMix01に任せていた。

Mac LC475+PerformerMIDI Timepiece+ProMix01+D-80 でオートメーションを楽しんでいたけれど、ある日ダウンサイジングを求められ、MTR部分を卓込みで KORG D16 に買い替えた。2GBのHDDのマルチトラックレコーダ。もちろん D-80 の音源は KORG D16 にダビング。8トラック同時録音可能だから一発走行(HDDでも走行と言ってみる)。

しかしD16も古くなってきた。幸い液晶はまだ大丈夫だが、ボタンパッドが黄ばんできたし、HDDのカラカラ音もすごい。バックアップはソング単位でSCSI接続のCD-RWにという環境である。D16が死んでも泣かないように、D16のコンテンツを Mac の Logic Express8 にダビングし始めた。ところがD16、8トラ同時録音できるけれどパラ出しはできない。マスターアウトから2chずつなんですね。なのでMTC(MIDI Timecode)シンクでD16をマスタ、Logic Express8をスレーブにしておおよそ1曲あたり4回ずつRECして鋭意ダビング中ですよ。

それに対して最近の環境はSDカード、SDHCカードに記録してそのままファイルで見えるというじゃないですか。D16も古くなってきたことだし、新しいMTR欲しいなー、と。16トラックぐらいでA4ファイルサイズぐらいで5万円ぐらいで、といったあたりを考えたです。

そしていろいろと調べまくったのですが、結論を言うと、同期できる機械がない。スレーブはおろか、マスタにも成れない。MIDIインプリメンテーションチャートにMTCがない機械ばかり。ちょっと古い機械は同期機能があるんですが、新しい機械にはありません、すっかり、まったく、コンプリートリー、ありません。

PCのDAWからMIDIを出力して→音源を鳴らして→MTRに記録、それで多重録音をしたい場合にMMC(MIDI Machine Control)とMTC無しでどうしたらいいんでしょうか。

  1. 全部DAWでやる
  2. 適当にRECして、PCにファイルで取り込んでサンプル単位で頑張って合わせる
  3. 適当にRECして、PCにファイルで取り込んでタップでタイムストレッチして合わせさせる

こうなったら昔のようにSMPTE-TC(LTC)をMTRのトラックのひとつに記録して、MTRマスタ、DAWスレーブで動かすしかないような気がしてきた。

前は MIDI Time Piece を使っていたのだけど、今は持っていない。

MIDI Time Piece AVを買うか、最近はMOTUUSBオーディオI/FのコントロールプラグインSMPTE LTCのデコードができたりもするようだ。MTC~SMPTE LTCの変換器もある。MTCは5pin DINだけじゃなくUSBのMIDIクラスも対応していたり。

しかしここで SMPTE LTC と MTC の変換に興味を持ってしまったので、調べてみたところ、ユースケースを絞れば自作できそうな気がしてきた。

SMPTEのジェネレータをAVRマイコンで動かして、PC上のデコードソフトでデコードできた。

リーダ側はプリアンプを作り、数日間、アルゴリズムを考えて、バイフェーズをほどくところまで出来た。

f:id:Chuck:20140324132549j:image SMPTEリーダー用プリアンプ

f:id:Chuck:20140324132550j:image バイフェーズ信号のエッジで割り込んで、前周期の 1/4~3/4 のウィンドウを作っているところ

f:id:Chuck:20140324132551j:image 上のウィンドウを適用してバイフェーズの1を抜いてきたもの。1が12個連続しているシンクワードの近傍が写っています

このあとは SMPTE LTC のビット列にロックしてデコードするところですね。7セグメントのLEDを並べてタイムコードを出力してみようと思う。

まだバイフェーズをほどくところまでの実装だけど、今のままだと割り込みサービスルーチン内の記載が多くなりそうで頭を悩ませている。

またMIDI側の記述を現時点でまったく考えていない。クォーターフレーム (のタイミング)ってどうやって作るのがいいのでしょう。水晶発振のクロックをカウントして作るのでいいのかな。割り切れない場合はどうするのだろう。長い目では誤差蓄積しないようになっていればいいのかな*1

追記

まぁ、そこまで頑張っても、5万円以下クラスのはパラアウトは無いし、SEND-RETRUN も無いMTRばかりで、10万円以下としてTASCAMのDP-24とDP-32だけど、これらも無くなる(廃版)方向だよね。

もっとこう、録って出すだけでいいんだけど、そういうのは50万円コースになっちゃって、ミドルレンジがない感じですねぇ…

こんなんじゃアウトボードのエフェクタとか廃れるよなぁ。ぜんぶがぜんぶインサートじゃすまないんだよね。

*1:多重録音対象の曲の中でそれなりの精度ならばいいのかもしれない。とは云えクラシック曲だと1曲が長くなりがちだけれども