電音の工場ブログ

趣味の電子工作を中心としたブログです.音モノの工作が多いです.

PWM用ローパスフィルタ

PWM用ローパスフィルタ

+5V ACアダプタを壊してしまった(id:Chuck:20060520#p1)が、しかし挫けずに冶具を拵えて(id:Chuck:20060523#p1)、なんとか実験することができた。最近ワンチップマイコン用いたCV生成において、PWMを使用することが多くなってきたため、その出力段のフィルタについて検討してみようと考えたのが発端である。

マイコンによるCV生成では、通常はD/AコンバータIC(以下DAC)を用いる形態が良く見られる。DAC利用の場合、これはという定番が確立していないので追試をするときについ二の足を踏んでしまったり、多チャンネル出力しようとするときにそれほど安価ともいえない石を並べるとか、デマルチプレクスするとシーケンスが面倒とかあって、DACが出てきた瞬間に退いて行ってしまう人がいたりしちゃったりして。ただでさえマイコンが出てきただけで人が減るというのに… ありゃ、記事が後ろ向きだな。

もとい

最近ワンチップマイコンが速くて安くなってきたところにPWMの周辺回路も載っているよね、積極的に利用すると再現性が高くて安価にいろんなCVが得られますよ、というセンで。

実際筆者もCVの生成にはマイコンを積極的に利用しようと考えている。抱え込んでいるプロジェクトとしては、MIDI-CVコンバータ とか MIDI同期LFO とか プレステのコントローラを使ったCV発生器とか。最後の奴なんかどうやって16CVを取り出そうかと目下悩み中。

そのマイコンが速くて安くなってきたここ数年を俯瞰してみると、RJBさんのこの記事 RJBlog: PWMのMIDI2CVCVへのPWM利用のパイオニアかなと。筆者もRJBさんを追いかけて少しずつ実践しているところだ。

んで、PWMなので出力段にフィルタを入れておいたほうがいい*1。筆者が考えているCV源はチャネル数が多いので、アクティブでもオペアンプ1個程度で済ませて、なおかつCR部品も少ないほうがいいという考えのもと、サレン・キー型を試してみた。回路図はコレ↓。510pF は手元にその値のスチコンがいっぱいあるので…

Sallen-Key LPF

2次のサレンキー型LPFの前にCR LPFがついているタイプ(参考文献)。f_{c}は2kHz。8MHz動作のAVRを8bit PWMで使うことが多そうなので、PWM周期31kHzぐらいということで。

今回組んだフィルタへの入力信号のFFTがこんな感じ。

PN FFT

結構白い(いや、画面表示は赤だけど)。

んで、フィルタ出力のFFTが、

LPFed FFT

フィルタは理屈どおり動いているようだけれど、PWM後フィルタとしてどうかというのは、実際に繋いでみないとわからないような気がする。ということで例によって中途半端な実験となってしまいました。CV発生冶具(id:Chuck:20060102#p1)をアップグレードして実験してみようと思う。シャープに切りたいときは1段目をTノッチにする奴とか、ノイズシェーピングもやってみたいかも*2

と、ここまで書いて気がついた。RJBさんの RJBlog: MIDI同期LFOの基板 が同じような構成で、すでに f_{c} = 1kHz の回路で実績ありだったのね。