電音の工場ブログ

趣味の電子工作を中心としたブログです.音モノの工作が多いです.

MFSH関連2題

MFSH関連2題

MFSH関連の話題があったので触れてみる。

なお筆者の製作はまったく進捗していない(きっぱり)。MIDI同期のコア部分はできたんですけどねぇ(言い訳)。「さん、ハイッ」ペダル id:Chuck:20050711#p1 と併用すればタップテンポOK(宣伝)。

ノイズ

id:Chuck:20050301#p1 とか id:Chuck:20050306#p1 とか id:Chuck:20050314#p1 とかでノイズの場当たり的検討実験を記したが、ここにきて RJBさん(ご本家, ブログ)による秀逸なレポートが発表された(RadioJunkBox@cocolog: ノイズトランジスタの実験)。

筆者もこれまで「逆バイアスでノイズ源になります、ハイ、実現回路」以上の解説を見たことがない。どこかになにか参考文献があるのでしょうか。きっと楽器メーカにはレポートが蓄積されていたりするのだろうけれど、発表されることはないだろうし…

全般にわたって大いに参考になるRJBさんのレポートだが、特に、

バイアス電流との関係ですが、2SA733と2SC945は10~20uA程度でノイズ量が最大になり、これ以上流すと逆に低下傾向を示します。この2つのトランジスタは、再び逆バイアス電流を10uA程度に下げても元のノイズ量に戻らないこともわかりました。

むむ、ということは、とっかえひっかえしているうちに回復不能な破壊を起こして、「あれ?さっきよりノイズが小さくなっちゃった」ということも起こりえるわけですな。きっちりと電流量を見ながらやるべし、と。闇雲は良くないということですね。

ところで、破壊してしまった後は hfe はどうなっちゃっていたりするのでしょう。興味あります。

そもそもどうしてノイズが発生するのかもよくわからんな~熱雑音てわけじゃないし大元はアバランシェ発振?ほんとは(?)カオスなんじゃないの? などとイメージを巡らせようとしたらIII族とV族が攻めてきて、不純物を注入していったり、ジャンクションだ空乏層だ*1、アロイだエピタキシャルだ、うわー物性の単位を落とすー… と居眠りから目が覚めた。うーむ。

回り込み

とある掲示板で回り込みに悩む投稿を見た。

以前に挙げた作例(id:Chuck:20050615#p1)を参照しているようだ。この作例は電圧コンバータを使って +9V電源から -9V電源を作るという、この形式の動作の回路として考えるとチャレンジングなものである。

CV系と信号系で電源をデカップリングしているにもかかわらず小容量コンデンサによるパスコンが入っていない点が、この形式の動作の回路として考えるとよろしくない。と思ったら、GGGにあるオリジナルと思しき回路図からして入っていないのね… TonePad のは MAX1044に置き換えただけか… P板パターンも少なくともGNDの引き回しについて、あまり良いとは思えない。あのパターンではトラブルシュートは難しいかも知れないな。

LFOパルスが電源を揺すってパルスノイズが出るかもというもののほかに、ランダムフィルタでCVが急峻に大きくジャンプするときにも避けがたいクリックがOTAで発生するかも、という気がする。CVを鈍らせるのが無難かも。

ところで、id:r0r0さんもサンプル&ホールドのLFOによる回り込みで苦労されていたようでしたが、パスコンの追加で軽減したのでしたっけ?>id:r0r0:20050508, id:r0r0:20050509

*1:これは関係ない。