HA12022 VCA/コンプ その2
HA12022 VCA/コンプ その2
ずいぶん遅れたけれどようやく大塚センセにCD-Rを送りました。まもなく着くと思います。しかし、toruiさん、@りまさん、590先生への発送はまだ…
そんな体たらくだけれども HA12022コンプ の製作を少しずつ進めている。
リソースは、その昔サンレコに大塚さんのプロフェッショナル・クラフツという連載がされていた時に、「コンプ/リミッタ」「エクスパンダ/ノイズゲート」として掲載されていた製作記事。そして大塚さんが最近書き記された、「HA12022の不思議なピンと概略」である。とくに後者の記事がなければ HA12022 の足ピンの番号で右往左往していたと思う。
前回こんなことを書いていたが、
最近の我が家の状況に鑑みて、EIAラックケースに組み込んでラックに収めるというのは難しいので、3Uユーロラック様に組んでいるアナログシンセのモジュラーのようになることも視野に入れ、秋月Bタイプ両面スルーホールガラス・ユニバーサル基板を用い、回路を3ブロックに分けて実装することにした。
可能であれば 1. と 2.+3. の基板2枚構成で収まるといいな、という感じで。
その通りに作業を進め、こんな感じになった(VCA部)。
回路はHA12022の1ch動作。1-2-3-4-6-7-8ピン担当の反転系統 と 14-13-11-10-9ピンの正相系統 とで差動で動かしている回路のようだ。
1kHzを信号に、tiny LFO *1 をCV源としてテスト。
tiny LFOから正弦波を与えトレモロ動作をしているのではあるけれど、オシロでみると1kHz信号の山で1.7MHzの発振が乗っている。
の4つのシナリオで追いかけてみた。
1. は綺麗なものだったので除外。
2. はHA12022の出力回路まわりの10pF、15pFをいじめてみたが発振の強度や周波数が変わらない。
3. に関しても同様。
4. で、CVが暴れていたりそのGNDまわりにお化けがいたりで本命かと思われたが、CVサミングアンプを切り離しても1.7MHzの発振が出ている。
電源グランドに電線やコンデンサを盛ってみたが安定して1.7MHz発振している。
HA12022はその「ブロック図および標準外付け部品」の図を見るとわかるように、いくつかの信号を観測できる。1-2-3-4-6-7-8ピン担当の反転系統を入力から追っていったら、ゲイン調整部分を越えた当たりで、すなわち6ピンから1.7MHzが観測される。
8ピンから抵抗を介して11ピンに入って、14-13-11-10-9ピンの正相系統とミックスされているようだ。
データシート(というかCQ出版社の『1993年版 産業用リニアIC規格表(PART2)』)では9ピンからの帰還を11ピンに入れている。
プロフェッショナルクラフツの大塚さん・小沢さんの回路では、最終出力にディスクリートアンプを組んであってそこから帰還させている。上の周波数で位相が回って内部で出た1.7MHzがうまくキャンセルできないのかなぁ、という解釈でデータシートのブロック図に倣って帰還させたら、1.7MHzがかなり低減された感じになった。
回路図としては以下のように変更してみた。
今後、サイドチェーン部を組んで全体としてコンプ動作をさせて様子を見たいと思う。
なお、中古で買った電子電圧計を出してきて、LFOで出力電圧がフワフワするさまを確認。
ちなみに
HA12022ではVcが0V近傍で0dBで、Vcの値が大きくなるほどにアッテネートされる方向。シンセのVCAにする(CV電圧が増えると音が大きくなる方向)にはCVの反転とシフトが要りような感じ。
コンプ一択で仕上げるかな。
足跡
*1:もう7年も前の製作か