電音の工場ブログ

趣味の電子工作を中心としたブログです.音モノの工作が多いです.

アナログシンセビルダーズサミット2011出展

アナログシンセビルダーズサミット2011出展

11月19日に新宿にて催されたアナログシンセビルダーズサミット2011も盛況のうちに終わりました。

トピックとしては、

  • 参加者大幅増
  • 外国人比率高まる
  • 神様らがにこやかに降臨

また来年お会いしましょう。

そして今回の展示物を、今年はなんとか写真を撮ることができたので以下に示す次第。

信号発生器

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大きめの写真

ミキサを作るための冶具です。

今年はミキサを作るまでには至らなかったけれど、あるレベルの信号を出せる機械が必要になるだろうと考えて本機を製作した。

そのうちに回路等詳細をブログに載せる考えではあるけれど、ざっくりと紹介すると以下の構成。

  • コントローラ基板には俺duino(秋月duinoをシリアルI/Fとマイコンで分離してあるduemilanove互換ブートローダを焼いたATmega328)。LCDはこれで制御している
  • フロントパネルのボタンとロータリエンコーダの状態取得、LEDの出力制御をしているUIサブ基板(I2C-UI、LCD同梱基板)
  • 1Hz単位でI2Cで送ったコマンドに応じた周波数の正弦波を出力するOSCサブ基板
  • I2Cで送ったコマンドに応じて電子ボリュームLM1972(I/FはSPI)にコマンドを投げるATTサブ基板

総勢マイコン4個。

仕様的には100/200/440/500/1k/2k/5k/10k/15kHzのプリセット正弦波、+12dBu~-66dBuまでレベル出力ができることになっているけれど工作はまだ途上のバラック。さらに出力アンプを5532にしてしまっているために、試してみたら低レベルのところでは乗っているDCオフセットが気になって仕方ない。改修小基板を作って5534に変更する予定。


ミキサInput Module検討基板

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大きめの写真

実装されているのはBaxandall型の3band EQのみ。SoftOscillo2でアナライズした表示を展示していた。

Baxandallは3-bandながらオペアンプがひとつで済むのでミキサのような多インスタンシエーション下では便利なのだけど「面白くない」(by houshuさん)のもまた事実で、買えばすげー安いイマドキこの時代にミキサを作ろうという考えのもとでは再検討必至といったところだろうか。


展示したシンセ

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大きめの写真

  • (手前右) RJBさん設計のESM-2を箱入れしたもの。一昨年はこんな姿でした。ツマミトップに色*1を塗ってP-touchを貼りこんであります[製作期間:2009年~2011年]
  • (手前左) 学研のSX-150mkII。ツマミを塗りました。回路は(まだ)いじっていません[製作期間:1日で色塗っただけじゃ]
  • (奥) GanさんのAnalog2.0基盤から拡張したA’シンセ。ここのところほとんどいじっていなかったのでホコリが積もっていた[製作期間:2010年1月~12月]



いただいたコメント

いろんなかたからいろんなコメントをいただきました。

  • polymoogさんからは、今はミキサという必要なもの興味のあるものを順に作っていく流れはアリだと思う、旨のコメントをいただきました。いやー、その都度、手段のためには目的を選ばないだけです、しかもまだ冶具の段階です。それも次は別のミキサからさらに離れた測定器作りに行きそうな雰囲気です。すみません。
  • シンセ界のすごい方からは「測定器いいよね、測定器。測定器やっていたら誘われて楽器作って今はこんなふうにになってるけど」とか「おたくのところが部品外販止めたので困ったことがあったなぁ」とか言われました。すみませんすみません、私はぺーぺーで権限ないですがすみません。
  • 鈴木社長からは、「一昨年のアレ良かった、今まで見た中で五本指に入る、また見たい」とありがたいオコトバをいただきました。今年は、時間的にバラバラに開発した小モジュールをI2Cで通信して組み上げるメソッドの実践ができたので、一昨年のアレもモジュールを拡張し、いつか組み上げ箱入れを目指そうと思います。
  • 30年前にシンセの記事を書いていた方との雑談の中では、私の考えているモジュラーシンセのモジュールと同一の方向性が見えたりして大変興味深かったです。これもI2Cで多インスタンスする方向になってます。

自分の着想・構想はそんなに外していないのだなと意を強くする一方、実装が追いついていない現実―とくに今年は顕著だった―を振り返るサミットでした。

サミットレポートリンク

*1:私の作るシンセの統一機能色