電音の工場ブログ

趣味の電子工作を中心としたブログです.音モノの工作が多いです.

無題

無題

また掲示板ネタで恐縮だが、こんな話題があったので、筆者の思うところを書いてみる。当該地に投稿しても良いのだけれど、また抹殺されちゃうかもしれないし(謎)。

こんな感じ

書籍やNet上など、様々な所でエフェクターの回路図が公開されていますが
その回路に「著作権」のような物は存在するのでしょうか?

回路図に、思想または感情を創作的に表現したのであれば、著作権が発生すると思います。部品の配置による表現ということも考えられます(本当)。したがって、誰かが書いた回路図を複写して公に見えるようにしておくことは著作権を侵害するおそれがあります。

「回路」それ自体に対しては、著作権のように著しただけで権利が発生するようなことはなくて、特許や実用新案といった工業所有権が認められてそれを然るべきところに登録してあれば、そのような権利を誰かが持っていることになります。

と申しますのも、ある所で見かけた回路図(自作向けに公開されている)の内容が
過去に存在した某社のエフェクターの回路ほぼそのままなのです。

回路がほぼそのままであっても、それがすぐに著作権特許権等を侵害しているとは言い切れません。逆によくある回路のように見えても、それが特許権を侵害していないとも言い切れません。ある種のクリッパや素子の非線形領域を利用した歪など権利化されたものもあります。興味があれば特許庁のWEBサイトで調べることができます。

相違点は、トランジスタが国内規格の物になっている事や、入力直後に接地抵抗が追加されている事。
それとオリジナルでは半固定抵抗による調整部を可変抵抗にして表から操作出来るようにされている等々。

その相違は、作者の実験に実験をつぐ労苦*1を経た工夫の部分かもしれませんし、深いこと考えずに*2置き換えただけのものかもしれません。

正直、これを見た時の率直な感想は「この程度アレンジを加えただけで「オリジナルです」と言うようなニュアンスで公開して良いのだろうか?」と感じました。

良いか悪いかは筆者にはなんともわかりませんが、程度によっては他人から指をさされて笑われることがあります。それでも構わずにビジネスに走る人もあります。

大した努力や先人への感謝もなしにオリジナルと喧伝することは、これまでさまざまなエフェクタを勉強してきたことを通じて言えば、私自身は恥ずかしく感じます。技術が連続的な変化の上に成り立っていると考えればなおさらです。そのため筆者の場合には、何かを参考にした場合は出典と相違点・創意点を示すようにしています。しかしそれは自己満足的ポリシーに過ぎません。

こう言った事は良くある事、あるいは当たり前にある事なのでしょうか?

元ネタはアレだろうなと容易に推察されながらも出展が明らかになっていないような例は、最近のエフェクタ製作入門者向けとされる書籍などにも見られます。当たり前にある事なのかどうかは知りません。当たり前にあったとしても、それを筆者自身が行う気にも、推奨する気にもなれません。

で、

お前んとこの製作ブツに関してはどうなのよと問われれば、このブログに記したことがあるかどうかは忘れましたが、筆者の名前が載っている特許というのもあったりしますし、気分によっては GPL とか BSD とか CCなライセンスにしてあるものもあります。そのあたりを含めて、ご自身のお考えの上で正しく(フェアに)ご利用ください。製作ブツやアイディアに対してフィードバックをいただけるととても嬉しいです。「魚心あれば水心」というのがいいですね(辞書どおりの日本語で)。

*1:加えて言えば、回路を理解せずチェンジニアしたものかもしれませんし、回路を良くわかった上で試行錯誤したのかもしれません。

*2:あるいは啓示を受けて…